ビジョンは必要か?
- 代表
- 2022年12月1日
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先日、とある顧客企業の社長から「当社にはビジョンが無いのですが、作らなければいけないでしょうか?」という質問を受けました。
初めにお断りしておくと当社はビジョンに関するコンサルティングはお受けしておりません。ただ、採用や人事制度などを一緒に進めさせていただく中で、どうしても会社の今後や、価値観について経営者の方とお話をさせて頂くことになります。その過程の中で、「御社の目指す今後って、こういうことですよね」と言語化され、社長にすごく響いた結果、ビジョンとして掲げられるようになったりすることもあります。
このように経営者の考え方や価値観に根差した適切なビジョンが作られ、かつ、そのビジョンに沿って経営がされるのであれば、それは企業にとって強みとなります。しかし、実はコンサルティングで企業様に入らせていただくと、輝かしいビジョンが掲げられている反面、現実はまったくビジョンとかけ離れた組織運営がなされているケースを多く見かけます。その場合、組織にいるメンバーからはビジョンに反した経営が行われていることが、逆に批判の種になってしまいます。
現実にそぐわないビジョン掲げてしまうと、逆効果になることもあるのです。
また、当社のお客様で10年以上にわたり成長を続け、地域を代表する高収益企業になられたお客様がいます。こちらの企業にはビジョンという明確なものはありません。むしろ、あまり将来を描かず、「目の前のお客様のニーズに出来る限り答える」ことを愚直にやりつづけているだけです。
ただ採用にはとてもこだわられており、採用の場面でも「ビジョン」とか「未来」を重視する候補者の方は採用にはならず、多少口数が少なくとも、黙々と目の前のことと向き合う候補者の方が採用になります。当然会社の価値観とマッチしているため、採用のミスマッチも起こりづらく、自社に適した方の採用が進み、入社した方が活躍していった結果、ビジョンを掲げないまま、いつのまにか同じ業界・地域のどの企業よりもビジョナリーな企業になられたのです。
以上、最初のお客様の問いに答えるならば「社長の価値観にもとづいたビジョンで、かつそれに基づいた組織運営がなされるのであれば、作った方が良いと思います。ただ、無理に作った現実と離れたビジョンは逆効果になるので、現在必要性を感じないならば無理に作らなくても良いのでは?」というのが私のお答えになります。
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