不採用理由は答えるべきか?(その2)
- 代表
- 2022年12月23日
- 読了時間: 3分
前回のブログで不採用理由について書いたところ、「すごく納得がいったし、役立った」という反響を頂きました。今回は、続きとして、違う角度で書きたいと思います。
まず、当社が支援させていただいて、一緒に選考に入らせていただいているお客様にはご理解いただけている点として、弊社は採用面接では知識経験だけでなく、むしろ価値観にフォーカスするような選考を行っています。
なぜかというと、知識経験は後で変えやすいものであるのに対し、今までの人生で築いていた候補者の方の価値観は、入社した後で変えることは困難で、あるのは企業と合う・合わないという視点だからです。
そのため、入社後の教育では変えにくい部分にフォーカスして選考を行っていくからこそ、定着率が高く、会社の根幹になっていく方の採用につながっています。
前回のブログで不採用理由を聞かれるケースは「納得していない」方が多いということを書きました。これは中途採用の場合に多いのですが、もう1つ特に新卒採用で多いケースが「今後の就職活動に役立てたいから、フィードバック(選考理由を教えて)が欲しい」というケースです。
このような学生の方に、普通だったら「もっとハキハキと話した方いい」「もっと数値を盛り込んで話を具体的にした方がいい」「相手の目を見て話した方いい」などのアドバイスをするのかもしれません。
しかし、我々はこのように対策出来てしまう部分では面接の判断はしておりません。これらの部分を直したとしても、当社の選考ではもっと深い価値観にフォーカスするため、通る人は通るし、お見送りとなる方は再度選考を受けていただいてもお見送りとなる場合がほとんどです。一度お見送りとなった方が、再度受けて頂いて、受かる場合はポジションの補充などの要因で、採用基準が変わる場合です。
つまり、今後につながるアドバイスでいうと、「採用は相性とタイミングであり、他に自分に合う企業を探してほしい」しか言えないのかなと思っています。
以前、とある人材紹介会社さんから「御社の不採用理由は人格などの抽象的な面が多く、本人のためのフィードバックがしにくい。もっとスキルとか経験とかわかりやすい不採用理由を教えてほしい」と言われたことがあります(この質問をしてくる時点で同じ人材業界で働く身としてどうかと思いますが)。
この意見について、私は、こう思っています。
選考の中で、不採用になった理由を本人にフィードバックをしたくらいで変わるのであれば、その人は採用して、入社後に修正してもらえばいいだけです。でも、フォードバックをしたくらいでは治りにくい部分で見ているから、本当の理由をフォードバックしてもお互いのためになりません。
と。
人と本気で向き合った結果として、本質的であればあるほど、他人が何かを言ったくらいでは変わるものではありません。そのため、不採用理由を伝えることは、あまり双方にとって良いことではないと、私は思っています。
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