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人事制度と採用はどちらが大事か?

  • 代表
  • 2022年10月28日
  • 読了時間: 4分

採用からお客様の支援をさせていただくと、時間が経ち、やっぱり人事制度も・・・・というお話を頂くことがあります。


運用が上手くいかず形骸化している、ということで制度を見させていただくと、多くは社労士さんが手掛けたもので、すごく細かく丁寧に作られているのですが、運用を考えるとすごく大変そうだなという内容になっています。


例えば、

・人事異動があるとシートを毎回作り直さないといけない

・部署毎、また部署内で仕事の分担内容が変わると作り直さないといけない

・記述部が多く、点数のつけ方があいまい

・評価者への負荷が高く、また評価者に求めるレベルがとても高い

・運営する側(人事、総務部署など)への負荷が高く、やりきれない

などなど。


自分も人事制度を何度も作ってきたけれど、出来る限りシンプルに敢えて曖昧さを残して作るようにしてきました。


実際、作った制度を納めると「これでいいんですか?」と言われることもありますが、「少なくとも300人規模くらいまではこれで十分」と答えています。事実、300人規模の企業で十分機能していた実績があり、その企業は大きく成長し年々利益率も上がっていったため、結果は出ていたと言えると思います。


細かくまで緻密に出来ている人事制度は、「人事の曖昧さ」や「運用」が考えられていないことが多いです。職務内容の細かい要件定義とかは、変わることが多く、自分が作る場合には極力やりません。


その代わり、変わりにくい部分にスポットを当てて制度を組むと後での変更が少なく、使いやすい制度となります。(採用で見る視点とリンクすると、より一気通貫の制度になります)


私は企業の人事として長年運用を経験してきたので、運用にかかる手間は嫌というほど理解しています。だからこそ、人事制度は細部を詰めるよりも、いかに運用しやすいものにするかが大事で、運用のためには細部を敢えてアバウトにしておくことも実は大事なんです。そもそも、人が人を評価するということ自体が曖昧なものなので、その曖昧さを無くすように細かく制度を組むと、逆に矛盾が出てきて上手く機能しない。それよりも曖昧さがあることを前提に、その曖昧さを許容できるような制度にしてしまうほうが、現実的だし、運用がしやすくなります。


人事制度に限らずですが、人事全般、曖昧さを上手く使うことって、とても大事です。


また、人事制度の話しを頂くとき、「人事制度によって会社が変わる!」的な期待を込めてお話をされることが多いのですが、そんなときは正直に「人事制度によって会社が大きく変わることはありません」とお伝えしています。もし大きく変わるとすれば、それはプラス面だけでなくマイナス面の要素も多く含むと思います。


では、なぜ大きく変わらないかというと、人事制度というのはツールだからです。


たとえ話ですが、ゴルフの下手っぴな私が、スコアを上げたいと昨年思い切って新品のゴルフクラブセットを購入したのですが、結果としてスコアは少しだけ良くなった気もしますが・・・・正直、大して変わっていません。もちろん使いやすい、使い手に合っているという部分も大事でそれによって改善する部分もあります。


ただ、結局のところ、使い手が優れていれば、大きく間違っていなければどんなクラブを使ってもそこそこ上手くいきますし、使い手が私のように力不足ならどんなクラブを使ってもうまくいきません。


人事制度も一緒で、もちろん、合う人事制度があり、運用も上手に行えれば、それは会社にとってプラスですが、ただ、劇的に変わるものではなく、根本はその会社さんの実力の方が遥かに大事な要素です。


では、その会社の実力とは・・・・・というと、働くメンバーに力があるか、そしてその力が十分に発揮される環境があるか、などの「風土」に関わる部分です。


例えば、力のあるマネージャーがいる場合、人事制度が大きく間違ったものでなければ、大体はうまくいきます。逆に、力のないマネージャーの場合、いかにしっかりした人事制度を作ったとしても、結局日々の仕事で部下との信頼関係を築くことができず、制度も期待通りの機能をしなかったりします。


また、いかに力があったとしても、上司が仕事を任せたりしなければ、結局人事制度を作っても評価が低くなり、本人のプラスにはならないケースもあります。


「制度」より「風土」のほうが大事なんです。


弊社では以上のように、採用にもつながり、使いやすい、貴社の風土にあった人事制度のご提案もさせていただきながら、やはり力を入れるべきは採用の部分だと考えています。

 
 
 

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