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面接官に必要な「胆力」の話

  • 代表
  • 2022年9月27日
  • 読了時間: 3分

多くの面接を担当し、面接官トレーニングも行ってきて、様々な企業の面接に立ち会ってきた身として。面接官に求められる資質は色々ありますが、重要な資質の1つとして「胆力」があるります。


この「胆力」とは聞くべきことを、合否判定が出来る情報を得るところまで、相手の反応に左右されずに、聞き切ることが出来る力です。


下記は厚生労働省の掲げる採用選考時に配慮すべき事項です。

<a.本人に責任のない事項の把握>

・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)

・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)

・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)

・生活環境・家庭環境などに関すること

<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>

・宗教に関すること

・支持政党に関すること

・人生観、生活信条に関すること

・尊敬する人物に関すること

・思想に関すること

・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること

・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<c.採用選考の方法>

・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)

・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施


私も面接においてこれらのことを聞くことはありません。そして、逆に考えるならばこれ以外のことは聞いて良いとも言えます。


では、胆力が求められる質問とは何かというと、候補者の方があまり言いたがらない内容です。具体的には大きく2つ、


・「過去の退職・転職理由」

・「休学、休職、キャリアの空白期間」


です。この2つはややネガティブな面を含み、デリケートな内容です。そのため、積極的に言いたがらない方が多く、また、聞くと嫌そうな表情を浮かべるケースもあり、面接官にとっても「聞きづらいな」と感じることが多い内容です。そんなとき、心の優しい方だと「あまり話したくないのかな?それならば深く聞かないでおこう」とすぐに他の答えやすい質問に言ってしまうケースが多くあります。(本当に多く)


しかし、会社の面接官としての役割を任されている以上、候補者に流されて聞くべきことを聞けないのはNGです。この2つの質問はデリケートな内容だけに、その候補者の方の本質に近い部分であり、仕事選びや入社後の定着、活躍に大きくかかわる部分です。ここを深く聞かないというのは、ミスマッチを生みやすくなるため、面接官としてはややしつこいくらいに聞かなけばなりません。もちろん、候補者の方を尊重し、圧迫ではなく、丁寧に真摯に聞くべきですし、聞いた内容は機密として慎重に取り扱う必要があります。そのうえで、候補者の方が嫌な表情を見せても、聞くべきことを聞ける「胆力」が面接官には必要となります。


ただ、だからといって聞きすぎてもダメですし、合否判断が出来るところまで聞ければ、それ以上聞くのはやりすぎですので、他の話題に移りましょう。

 
 
 

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